「朱鳥が帰ってからその子の手ちらっと見たんだけどさ……火傷あったの。結構深めで手術でもしてない限りまだあると思う…」




私は、怖くなった。





一度にこんなに

手がかりを聞いてしまっていいのか。



彼と会えてしまっていいのか。



向こうが覚えてなかったらなんて話せばいい?




私は、結局彼と会うことが怖いんだ。




『今日は…帰ります…』




私はドアを開けて、
そのまま家に帰った。

絵里さんは失敗したかなぁーという顔をしていた。




家に帰って私は一度にいろんなことが起こって頭のなかがぐるぐるしていて、考えこんでいた。



その日は寝るまでベッドの中でずっと唸っていた。