「ゼロ…」


沙弥はやっと口を開いた。


「あんた…意地が悪いね…」


『そんなことはありませんよ。』


ふっ、と笑った。


『岬さんにとっては、
とても難しい問題のようですねぇ…』


ゼロがほくそ笑む様子が目に浮かぶ。


「…っ。」


金石は唇を噛んだ。


悔しかったのだ。
沙弥の両親のことは何も知らないから、
沙弥を手助けすることが出来ないから。


『…あっ!

ちなみに…

岬さんが、あと5分以内に答えられなかったら…

君たちの学校がふっ飛ぶことになるからね…

もちろん、君たちの命はないよ。』