「俺だって一緒だよ」

と、耳を疑うようなセリフに思わず、彼らの方を見てしまう

今のって、堀くんが言った?

「一緒って、俺は、帰れね~って!!」

「傘さしてれば、制服は見えても、俺の顔まで見えね~じゃん! それに、もし見れたとしてもさ、逆に誰にでも優しいオレをアピールできるっしょ?」

それは、疑うことなく、あの心優しいはずの堀君の口から出た言葉だった

「うわ~ マジ最悪~」

「お前、全部計算なわけ?」

堀君の発言に周りのクラスメイトはニタニタ笑っている

その中で、普段から堀君と一番仲のいい男の子が

「だから最初に言ったッしょ? 東野に絡むのは、こいつのボランティアだって!!」

「うわ、まじで!! 俺も明日からボランティアしよっかな~」

「え~ 俺は無理~ 同じボランティアなら、河原の空き缶拾いのほうがマシ~」

思わぬところで、堀君の正体を知ってしまった私は、レンたちに早く来いと言われたのを忘れ、しばらくボーッと列に並び続けてしまった

そんな時、列の前の方から歓声が上がっている

その歓声はどんどん大きくなっていっているようだったが、ココの耳には一切入らない

「いた!! レン兄!! ジョー! いたぞ!!」

という声と共に、ココの腕はがっしりとつかまれていた

ボーっとしていたココは、自分の腕から、順にたどり、つかまれている手の主を見上げた

ケーゴだった

「あれ? ケーゴ?」

まだ、ボーっとしているココに

「あれ? じゃねぇよ! 何並んでんだよ?」

とケーゴの怒鳴り声が振ってくる