私たちは肩を並べてゆっくり歩く。

通いなれたいつもの道なのに今日はまったく違う景色に見える。

石畳の足元ってこんなにひんやりしていたっけ。

街路樹として植えられているプラタナスの木はいつのまに葉を落としてしまったのだろう。

「アヤ、私に隠していることあるでしょ」

ランの乾いた声が耳に突き刺さる。

うなだれた首を持ち上げることもできないまま、私は言葉を捜す。