少し開けた障子の向こうに、雪が舞っているのが見える。



隣の部屋から騒がしいテレビの音が聞こえてくる。




「こんなに高いカニいいの?」



「何言うとんねん。誰の為に働いてると思ってんの?今日は豪華に行くで」





俺の彼女は、大きなカニを目の前にして興奮していた。




「あと、1時間で今年も終わりやな。今年は俺にとって最高の1年やったわ」




ほろ酔いの俺は足を伸ばして、向かい側に座る彼女の足に足を当てた。





「荒海部長・・・足、当たってます!!」




「当たってるんちゃうねん。当ててんねん。お前がかわいいから」






酒のせいで元々顔の赤かった彼女は、俺の甘い言葉でまた赤くなる。