「いや、その心配はないよ。なぜなら……」
 すると、黙ったままだったパンツマンが白い歯を見せてニヤリと笑った。
「彼がヤキトリにして食べちゃったからね」
 にこやかに微笑むと、パンツマンはブリーフをもう一度はき直し、何やらポジションを整え終わるとポーズを決めて一言。
「この世にパンツマンのいる限り、悪の栄えた試しなし! ふはははは!」
 そして、もの凄い速さで教室を出て行った。
「な、なんだったんでしょうか彼は」
 私は世界記録を出しそうな勢いの庄田さん……いや、パンツマンをあっ気に取られて見送った。
「さて、じゃあそろそろ俺も帰るとしよう。今日はこれからまだ怪談を続けるんだろう? この新座学園はハーピィ以外にも様々な怪物、魔物、幽霊といった怪談ネタの宝庫だからくれぐれも気をつけて」
 水沢さんは徹さんと握手をすると、パンツマンを追って教室を出て行った。
「それにしてもパンツマンはどうやってハーピィを焼き鳥にしたんでしょう?」
 ……私の疑問に答えてくれる人は誰もいなかった。

残り20話