「……パーティーはどんなものなのか全く想像もできないですけど、雷斗くんと離れたくないです」


 顔を上げ雷斗くんの瞳をしっかりと見ると、彼の漆黒の瞳が揺れて、切なげに潤んでいる。


(雷斗くんも不安なんだ……)


 愛しさがこみ上げてくる。私が、私が彼を支えて、守っていきたい。


 雷斗くんの頬を両手で包み込み私は自分から初めて唇を重ねた。言葉にできないたくさんの思いを込めて――


「……っ、はぁ〜、まさかこんなに嬉しいことしてくれるなんてな」


 ゆっくりと離れた唇をペロッと舐めて満足そうに雷斗くんは微笑んだ。


「すげぇ元気出た。羽花、一緒にあのくそ親父を見返してやろうな」


「っ〜〜〜はいっ!」


 雷斗くんの瞳に溜まった涙がキラキラして眩しい、とびっきりの笑顔。


 この先もずっと私だけが彼の色んな表情を見ていたいと強く思った。