そう聞かずにはいられなかった。
 魔力を持っているということは、どの国であれ、貴族の血を引いているということだ。アルヴィンは今まで、それをセシリアにさえ伝えずに隠していた。
 何度か彼の素性を尋ねたが、アルヴィンは迷惑をかけたくないからと言って、答えてくれなかった。
 どうやら彼の抱えている事情は、想像していたよりもずっと深刻らしい。
 そう思うと、心配だった。
「それでもかまわない。俺にとって、お前を守ることのほうがずっと重要だ」
 それなのに、アルヴィンはあっさりとそんなことを言う。
「簡単に言わないで。わたしは、こんなに心配しているのに」
 深刻な顔でそう言うと、彼は顔を綻ばせる。
「セシリアが俺のことを気にかけてくれるのは、嬉しいと思うよ。だがあの学園でお前を守るには、誰よりも強くなければならないようだ。それくらいの覚悟はしている」
「大袈裟だわ。学園って、魔法を学ぶだけよ?」
「それだけじゃないのは、セシリアも知っているだろう」
「……」
 学園に集められたのは、貴族の血を引く者ばかり。