「海鳳のタキシード姿の方がかっこいいよ。
海鳳はスタイルが良いから何を着ても決まってしまうんだから」
「そんな事ないよ。 コスプレみたいじゃん」
「参列してた病院の人達も言ってた。 王子様みたいだって」
「王子様のコスプレかよ」
私も思った。 まるで小さな頃読んだ童話から飛び出した、王子様。
王子様がたった一人私にだけ向けて手を伸ばしてくれた。
太陽の光を燦燦と浴びた笑顔。 しかしその視線は本当は一体誰に向かっていたのだろう?
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