「アヤちゃん」

びくっ。

ふいに名前を呼ばれると、どうしても過敏に反応してしまう。

「明日は来なくてもいいからね」

RYOさんは約束したとおり、あれから私にまったく触れようとしない。

優しくて穏やかなRYOさんは別人みたい。

すっかり心を許したわけではないけれど、約束をちゃんと守る誠意ある態度に私の心も落ち着きつつあった。

「どうして?」

「明日はね、一日いないからさ。電話も携帯に転送するようにしておくし、だから」

「そうですか…」

どうしよう。

早く帰ったら親に怪しまれるし。