そんなある日の夜。

いきなり雅之から電話がきた。


「もしもし。どうしたの?」

「あのさぁ、あの日からね
色々考えたんだけど…やっぱり
杏の事忘れられない。俺さぁ、知ってるんだよね!真人に告白された事。杏言ったよね。傷つけたくないって。俺は傷ついても構わない。杏が笑ってくれるなら。杏が幸せなら、俺も幸せだから。」


「うちは、雅之を傷つけるよ?」
「いいよ。杏が傍にいてくれるなら。」


涙が止まらなかった。
いつもそうやって優しい言葉で
心の傷を癒してくれる。

涙が出ないように空を見上げる。喋ったら、また泣いちゃいそうで喋れなかった。