でも違う。


船見くんには船見くんの人生があって、それを歩んでここまで来たんだ。


だから、すでに船見くんの隣を歩く女の子がいたっておかしくない。


母親が買い物に連れて行ってくれて、お気に入りの靴を見つけてとても落ち着いた気分になっていたのに、あたしはまた、泣いてしまったのだった。