「じゃ、気をつけてな」


「う、うん」


うなづき、階段を下りる船見くんの後姿を見送る。


「好きになった?」


不意に声をかけられてその場で飛び上がってしまいそうになるくらいビックリした。


見ると咲子がニヤついた笑みをこちらへ向けている。


「べ、別に」


あたしはぶっきらぼうに返事をして、プリントをしっかりと握り締めたのだった。