それは例えば、「ゲームを一緒にやる」、もその一つだった。

 だから僕たちは早速コントローラーを買い足した。

 30分の時間制限の約束も取っ払い、舞花が「もう一回」「もう少し」と言えば、僕たちもコントローラーを握り続けた。

 そうしているうちに、不慣れだったコントローラーの操作にも慣れてきた。

 ゲームにも慣れてきて、僕も歩美も真剣に遊べるようになった。

 三人で一緒に共に戦い、時には競い合いながら、どんどんコースを進んで行く。

 街を作り、家の中を自由にコーディネートし、好きな服を着る。

 どの場面にも、三人の笑い声が響く。


 課金なんか、必要のない世界。

 課金なんかしなくても、僕たちは前に進めるんだから。

 自分の好きなアイテムを手に入れることができるのだから。

 同じ時間を、共有できるのだから。