ケータイ小説 野いちご

もし明日、世界が「 」とするならば。





「…僕、犯罪者になっちゃったかも」


「ーーーえ……なんでっ!?」


「んー、ある意味いたいけな女子高生を誘拐しちゃったから」



そう言った彼は笑っていた。


それは力無くこぼすものじゃなく、世の中の馬鹿馬鹿しい法律や戒律に対して「馬鹿だねぇ」と嘲笑うかのように。



「でも後悔はしてないよ。…僕は僕のことも救いたかったから」



僕のこと……?


私はまだ、彼のことを何も知らない。
出会って間もない私達はお互いに知らないことが多すぎる。



「終わった先には何があるのかな…」


「…え?」


「僕達の世界は…きっと昨日で終わってたんだよちゃんと。だから出会えたんだ」



彼が言うことによればノストラダムスの予言は当たったらしく、それを境に私は今までの生活がガラリと変わって今ここにいる。


そう思うと確かに終わってたのかもしれない。

私がずっと「明日」だと思っていた「明日」は来なかったってこと。


うーーーん……ちょっとだけ難しいなぁ。



「もし明日、世界が“終わる”とするならば。…僕、この言葉好きだなぁ」



呟いた彼はとても嬉しそうに笑っていた。


世界滅亡の前日に出会った私達の、ちょっとだけ普通じゃない関係。


でもそれを「後悔するか」と問われたなら、私も笑顔で「NO」と答える。




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