ケータイ小説 野いちご

もし明日、世界が「 」とするならば。





明日からどうしようなんて考えてもいない僕は、考えないようにそっとベッド脇に寄ってみる。

寝返りをうった少女はむにゃむにゃ寝言を呟いて、ふにゃりと笑った。



「……天使がいる…」



僕って異性にも同性にもそういった感情はあまり持たないで有名だったのに……なんだろう、この小動物。

どうしよう、僕、すっごい可愛い生き物を拾ってしまったみたいだ。



「…なんの夢見てるの?」



同じように横になって問いかけてみたとしても、もちろん返事が返ってくるはずもなく。

コツン、と額同士を合わせた。



「ーーーほら、こんなふうに世界が終わるなら怖くない」



明日がもし来なくて、このまま夜が明けなかったとしたら。

「それもいい」って言った僕に君はきっと笑って頷いてくれるんだろう。


この子は、そーいう子のような気がする。



「食器、もう1セットずつ用意しなきゃね」



1度拾ったならば最後まで責任を持って面倒を見る───何事もそういうものだ。


そっと目を閉じれば、カラカラ回るハムスター、ぎゅっと両手に抱えた僕、そんな記憶がまた甦ってくる。

あぁそうだ…僕はあの時、情けなくも手を離してしまったんだ。



「…50万するグラスなんて中々ないよ」



本当にお金を持っている人は案外質素な生活を好むことが多い。

それはお金の使い方を知っているから。

だからあのグラスだって普通に雑貨屋で購入したもの。



───なんて、秘密。




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