「私たちの結婚式、オープンなものにするつもりなの。たくさんの人に祝福されたいから、挙式の時は招待していない人でも入っていいことにしてるわ」

アイビーのその言葉は、フィオナにとって幸運なものだ。黒いバラ事件に巻き込まれるかもしれない人間を守れる可能性がある。

「挙式の際、参考にしたいので伺ってもよろしいですか?」

フィオナがそう訊ね、アイビーとピーターの挙式にエヴァンと行くことが決まった。



結婚式場を出て特殊捜査チームの部屋に戻った後、フィオナとエヴァンはアイビーとピーターのことを話した。すぐにフリージアが二人の親が経営しているという会社を調べ出す。

「……どうやら、二人の親が経営する会社は長い間ライバル関係にあったらしい。でも最近になって経済協力をすることが決まり、その証として両家のご令嬢とご子息の結婚が決まった」

「会社がうまくいくための政略結婚……」

サルビアが呟き、フィオナはピーターについて感じたことを口にする。