「カ、カップル!?」

サルビアの言葉にエヴァンが顔を真っ赤に染める。エヴァンはチラチラとフィオナを見つめ、それを見たレティシアはニコニコと笑い、レイモンドは優しく微笑んでいた。

フィオナが何故エヴァンが顔を赤くしているのか疑問に思っていると、頭の中に映像が流れ込んでくる。結婚式の映像だ。カップルにとって一番幸せな瞬間だろう。

バージンロードを美しいドレスを着た花嫁が歩き、新郎が祭壇の前で微笑んで待っている。参列者も、神父も、多くの人がこれから幸せを掴む二人を祝福しようとしていた。

刹那、花嫁がブーケの中から何かを取り出す。それは拳銃だ。それをみんなが認識した瞬間、花嫁は銃を発砲し始める。愛しているはずの花婿を撃ち殺し、逃げ遅れた参列者たちにも銃弾を撃ち込んでいく。

『最ッ高!ブラックローズ様のおかげで自由になれた!』

花嫁は高笑いをしてそう叫んだ後、黒いバラの花びらを撒き散らす。そしてそのまま銃口を頭に突き付け、自らの命を絶つ。