つか、臆病な俺はこの人と2人はハードルが高すぎてやばい。

純白ちゃんとは、違うドキドキがした。

彼に対するドキドキは、危険信号的なものだけどーーーー。




「ーーーー純白ちゃん。
可愛いよね」



え、何?
急に純白ちゃんの話?
この人も実は敵で、命を脅かされているのかすら感じた。


「俺は君の味方だよ。
父さんに頼まれてさ、今日久しぶりに学校出てきたんだ」

久しぶりの登校?
学年的には同じなんだろうかーー。


彼はおもちゃの手錠をクルクル回しながら、笑った。



「学年的には君と同じ。
まあ、2年も学校行けて無かったからさ。
名前だけ置いといたんだけどさ。
あ〜コレ。
今はまだおもちゃの手錠だけどさ、いつか父さんみたいな立派な刑事になるのが俺の夢ーーーー」


校舎裏。
ヤバいやつらに絡まれて運悪く殴られそうになっていた俺を助けたのは。
赤茶色の髪に、器用に手錠をクルクル回しながら、微笑む青年だった。