ケータイ小説 野いちご

モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。


「俺、一人暮らしだから」

「え、あ……そうなんだ」

一人暮らし……そっか。

だから、パパのお店によく通ってご飯食べているんだ。

最初は、家族でよく来店していたのかな、と思っていたけれど。

「果歩くん、なんでひとりぐらしなの?里柚たちみたいにお母さんいないの?」

「ちょっと、里柚」

踏み込んだ質問を直球でする里柚をすかさず制する。

全く……子供はこういうところあるから。

誰にだって話したくないこと、言いにくい家庭の事情ってものがあるはずだ。

「ごめん、水牧くん」

「いいよ。全然平気」

そう言った水牧くんは、里柚の方をまっすぐみて口を開いた。

「里柚ちゃんちとは、ちょっと違うかな。里柚ちゃんたちみたいに、仲良くないんだ。俺の家族」

そう言って力なく笑った顔が今まで見てきた水牧くんとあまりにも違いすぎて。

言葉を失った。


いつも憎まれ口ばかり叩いていたずらに笑うくせに。

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