☆☆☆

それから怜美たち3人は学校の開かずの扉まで戻り、エミをかくりよへと帰すことに成功した。


学校から出たらすでに夕方近くになっていた。


「あぁ~! 今日はよく頑張った!」


野良猫たちが行きかう校庭で怜美は両手を突き上げて伸びをした。


いいことをするととても気分がいい。


「そうですね。かくりよから脱出したのはあと2人です」


あと2人!


猫田さんの言葉に怜美は勢い良く振り返る。


猫田さんはすまし顔で透明なタブレットを操作している。


そうだった。


これで終わりではなかったんだ……。


「ということで、またお願いしますね、怜美さん」


猫田さんの優しい笑顔に「……はい」と、うなづくしかなかったのだった。