アズコンでたまたまペアになって、

美乃里ちゃんの双子の弟と妹の子守りを数回手伝うことになって。

俺たちの関係はそれだけ。

「今日からまたいつも通りに戻るよ」

「ふーん。今日から、いつも通り、ね」

「ねー果歩ー!今日、うちにこない?」

泰生と話していたら、クラスメイトの女の子がやってきた。

ほんの少し前まではよく互いの家を行き来してて、触れ合っていた関係。

「おぉ、ナイスタイミング」

「泰生黙れ」

女の子に聞こえないぐらいの声で言って軽く彼を睨みつける。

余計なことを声に出して言わないでほしい。

「夕方からうちの親いないからさーー」

「まじ?じゃあ、久しぶりに行くわ。最近、全然相手出来なくてごめんね?」

「やった!!果歩、調子戻った感じ?じゃ、待ってるからね!!」

彼女はそう言って自分の席へと帰っていった。

「ふっ、いいのかな。あんなこと言って」

彼女の背中を見つめながらボソッと泰生がつぶやく。

「お前ほんと、俺にどうなって欲しいわけ」

「どうなっても面白いなって思ってる」

「ほんと性格わる」