これでいい。



俺は酷い奴

そう思われたままの別れでいい。





優しい人のまま、サヨナラをしたら

母親に捨てられた時と同じ苦しみを

みくるは二重で
背負っていかなければ、いけなくなるから。





「っ、す……きぃ……だったのに……」



みくるが何かを、つぶやいた。

でも俺は、みくるの小さな声に耳を傾けず。


大好きな子を公園に置き去りにしたまま

バイクで
できるだけ遠くに逃げ去った。