2人分でも無理だということなんだろう。


あたしは目の前が真っ暗になる感覚がした。


このまま靖くんはドライブスルー彼女に戻ってしまうの?


他の女性と関係を結んでお金をもらうようになるの?


そんなの嫌だ。


せっかくもう1度会うことができたんだ。


当時の記憶もよみがえってきて、本当に好きだと思える相手なんだ。


このまま終わりだなんて……。


「じゃあ、あたしがドライブスルー彼女に行く」


自分でも信じられない言葉が出てきていた。


靖くんは唖然としている。


靖くんが他の女性と関係を持つことは耐えられない。


だけど、自分が他の男に抱かれることはまだ我慢できる。


それで靖くんが救われるのなら、頑張れる。


「なに言ってんだよっ!」


途端に靖くんが声を荒げて、あたしの両肩を痛いほどに掴んできた。


その痛みはあたしのためを考えてのことで、嬉しくなった。