ケータイ小説 野いちご

魂(こころ)のまきものⅡ

ふわふわと柔らかそうな布の衣装を身に纏った女性がいた。
彼女は横笛を演奏しながら舞っていた。

衣装は動きに合わせて軽やかに靡いている。

彼女だけではない。
彼女は横笛パートの一員。
皆で合わせたそんなハーモニーを楽しんでいた。

練習にはみな笑顔で訪れていた。


音楽に身分は関係ない。
音楽に貧富の差は関係ない。
楽器が買えないなら、歌えばそれで音楽は出来る。
下手だろうがいい。
それを音楽としてまとめる人がいればいい。

「それってあなたの心の声でしょ?」

彼女は微笑んでそう私に問いかける。


「どんな時代だって音楽はあったのよ。そう、言われてではなくやりたいと主張した人がやっている。というかそれが許されて、演奏者も観客も楽しいもの。そんなショーが溢れることを願っているでしょう?あなたが叶えたいこと、それをやらなきゃね。生きている限り、それは出来るし続けられれば、きっと認められる。だって、今まであなたは忘れたことなかったじゃない。そんなことを夢見て必死で練習したことがあるじゃない。それはいつまでも失くさないでね」

彼女には音楽に対する強い意志があった。

彼女…?

いえ、私には。

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