ケータイ小説 野いちご

きらめく星と沈黙の月

できることなら、マネージャーを続けたかった。


ずっとずっと碧の支えでいたかった。


もう…楽しかったあの頃には戻れない。


「……戻りたいよ…」 


碧の姿を見ていたら、急に過去が恋しくなったんだ。


許されるのなら、もう一度…。


もう一度、マネージャーをやりたい。


でも……きっと碧はそれを望まない。


それに、私だって苦しい。


マネに戻れば、あの事件を嫌というほど思い出してしまいそうで。


今でも体育倉庫に近づくのが怖いくらい、トラウマなんだ。


そんな私にマネージャーが務まるはずがない。


でも…碧……。


私は碧の野球姿が好きなんだよ…。


今も、昔も…ずっとずっと。


だから苦しいんだ。


だから、野球は観たくなかったんだ。


どうせ私にマネを務める資格はないのに、恋しくなっちゃうから。


だからこんなところ…っ。


来たくなかった。


碧の野球姿なんて見たくなかった。


4回表 5-0


この文字列を最後に、私は球場を後にした。


どよめく歓声を遮断するように耳を塞ぎながら。

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