俺は声をかけてくる両親を無視し、そのまま自室へ向かって鍵をかけた。


誰の声も聞きたくなくて、ヘッドフォンを使って大音量ではやりの音楽を鳴らす。


そうしてベッドに突っ伏していると、不意に雄大の顔を思い出した。


元はといえば雄大のせいじゃないのか?


雄大がボールをユナの腹に当てなければ、俺はこんな残酷な現実を突き付けられることだってなかったはずだ。


それはただの逆恨みだった。


俺だってわかってる。


スマホを確認してみると、雄大から謝罪のメッセージが入っていた。


《雄大:今日は本当にごめん! ユナちゃんの具合はどうだった?》


その文面を見て俺は奥歯を噛みしめた。


誠心誠意過っているのかもしれない。


だけど俺にはなにも知らない幸せ者に見えた。