「そのガムいつも食ってるけど。うまいの?」


「…まぁ普通に。でも俺にしか味は分からないよきっと」


「はっ、なんだそれ」



コンビニのレジ横に必ず置いてある、よく分からないガム。

なんの気の迷いかは知らないけど、いつかに俺は1度購入してみた。


1コ60円、噛んでみれば思ったよりフーセンがすっごく作りやすくて。


まぁ味は一瞬にして無くなるから微妙なんだけど。



「これ、中々おいしかったよ」


「………先輩だったんですか」


「あれ?最初から気づいてると思ってたけど」



18時過ぎのコンビニにて、レジ打ちをする俺の暇つぶし。


確かにあのときはマスクしてたし髪もセットしてなかったし、俺か気づかなかったとしてもさ。

声、同じじゃん。


こーいうとこでしょ、いじめられちゃう原因って。



「180円になります」


「5000円で」


「…小銭はないんですか」


「あるよ?」



そんなコントを繰り広げて、俺はガムを3つ購入。

……それだけのためにわざわざ寄った俺もどうかしてる。