「おいやめろ」

「りーくん?」

 りーくんとは、同じく幼なじみで、私とななちゃん同じくお金持ちの、お友達。

 朝から、なんの用だろう。

「李津〜なんのよう」

 だるそうにそう言ったななちゃん。

「お前、婚約は破棄だ。胡桃、こっちおいで」

「り、りーくん……?」

 こ、婚約破棄?ど、どういうこと……?

「冗談でしょ。はいはい執事達は引いて。もうしないからさ」

「胡桃様に変なことをしないでくださいね七瀬様」

 ななちゃんを軽く睨みつけてそう言った執事。

「わかってるって。ほら、李津も帰れ」

「胡桃、また来るからね」

 執事とともに、りーくんも王子様スマイルを浮かべて、出てってしまった。

「もぉ、変なことしないで!」

「え〜わかったよ〜じゃあ朝ごはん食べようか」

「うん!早く食べないとまたお腹鳴っちゃう。」

「ふふっ、くるちゃん美味しそう。」

 ペロッと上唇を舐めたななちゃん。

「もぉやめて!」

 そんな調子で、甘々な朝は過ぎて行った。