「それで?その抹茶ケーキは食べたのか?」


「うん。それはもう美味しくいただきました……」


あんな夜遅くに食べるなんて罪深いとは思いつつも、結構食べてしまった。


だってあんなに美味しい抹茶ケーキ、初めて食べたんだもん。

見た目が可愛いのはもちろん、味も言うことなし。

好きなものだったら誰だって、時間なんて関係なしに食べちゃうよね。


「じゃあ一応?甘い夜だったってわけか」


「ま、まあね……」


ニヤニヤ笑う紗姫の目から逃れたくてふいっと横を向く。


普通に座って並んで食べ始めたのはいいものの、何度もアーンしてきたり、逆にして欲しいと言われたり。

挙げ句の果てには口移ししてさしあげましょうかとか言ってきて死ぬかと思った。


さすがイケメン……


やることなすことハードルの高さが普通じゃない。