「奥田さん、あとで職員室に来なさい」


服部先生が、無表情で私に言った。


相変わらず私はいじめられている。


ギリギリのところで耐えられるのは、優作の存在が大きかった。


優作が励ましてくれることで、私は美香たちのいじめを耐えることができるんだ。


私が職員室に行くと、すぐに先生に連れ出された。


誰もいない視聴覚室に押し込まれる。


「あのっ、先生?」


「いい加減にしてよ!」


先生は怒っていた。


目を吊り上げて、私のことを睨みつける。


「生活指導の田所先生に言われたわ、いじめがあるんじゃないですか?ってね!」


「えっ?」


「しらばっくれないで!あなたの様子がおかしかったって。まさか自分がいじめられてるって言ったの?」


「私はなにも…」


「それならどうしてよ!」


先生が黒板を平手で叩いた。


でも、私にはなにも心当たりはない。


「あなたが気づかれるよう振る舞ったのよ!おとなしくいじめられていればいいのに」


とても教師の言葉だとは思えなかった。


いじめを止めるどころか、私のことを責めるなんて。