湊は屋上に向かっている様子。

私は湊と話す気にならなくて…屋上に行く階段の踊り場で掴まれていた腕を無理矢理離した。






『…ゃめて』




湊の顔を一瞬、見たけど…正直に言うと怖い表情をしていた。


私のイライラを超えるものだった。

けど、私も負けてられない。



好きだからこそ、悔しかった…






「何なの、お前」

『私のセリフなんだけど』

「迎えに来るのが遅かったから?」

『違う』

「女と喋ってたから?」

『いい気持ちはしない』

「お前だって、男と喋ってるじゃん。紗良は良くて、俺は女と喋ったらいけないの?」

『しゃべってない』