ケータイ小説 野いちご

星屑の涙に君を想う


 そんなことを考えていると、装飾係の担当の金沢先生が教室に入ってきた。

 金沢先生は、国語担当の優しい女の先生だ。

「装飾係は、いわば縁の下の力持ち。体育祭本番ではあまり活躍しませんが、横断幕づくりなど、体育祭をいろどるにはかかせません。みなさん、体育祭を華やかにするために協力していきましょう」

 先生からの話があった後は、メンバーが一人ひとり自己紹介をする。

 まあ、クラスと名前だけ、だけど。

 改めて考えてみたら、この中に元カレがいるのって、かな~り、気まずかったかも。

 そうこう思っているうちに、あっという間に番がきた。

「二年一組木村です。がんばります」

 木村さんが席に座ったので、私は立ち上がる。

「えっと、二年一組の水野です。よろしくお願いします」

 軽く頭を下げて、席に着いた。

 そして、数人のあいさつがあった後、海くんが立ち上がった。

 ドキリと、心臓が鳴る。

「二年二組一ノ瀬です。よろしくです」

 海くんは簡潔にそう言うと、スムーズにイスに座った。


「では、次回からの会議では、会場の装飾について決めていきましょう」

 先生が言うと、教室は一気に騒がしくなった。

「がんばろーね、水野ちゃん」

 横から、同じクラスで係になった浅井晴奈(あさいはるな)さんがひょこっと顔を出してくる。

「あ、うん。よろしくね」

「こちらこそー」

 浅井さんと別れると、きょろきょろ教室内を探してみたけど……。

 海くんは、もう帰ってしまったみたいだ。

『よろしくね』くらい、言いたかったんだけどなぁ……。

 まあ、体育祭の係活動は週に二日くらいあるらしいし、まだまだ話しかけるチャンスがあるよねっ。

 これからがんばろうと、私は気を持ち直した。

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