「転校してきた当初は親父に引き取られてた」


と、

顔色一つ変えることなく呟いた湊。





1番の味方だったはずなのに…一番辛い話をさせてしまった。

何だか、一瞬にして気分が落ちてしまい、無言になってしまっていた。





すると、奏が私の肩に手を回して「何も思ってねぇから大丈夫」と言ってきた。



無理してるのかな。

表情を読むのが難しくて声をかけてあげられなかった。




私は、

微笑みかけるとキスをしてきた。




「お前がいるから転校したくないってお願いしたんだ。ずっと、笑ってて」

『嬉しい、ありがとう』

「今日は帰るな、送れなくてごめん」



と、

言って私と真逆方向に歩いて行った。