あたしは美緒に願いを託すつもりなんてないけれど、絶対に勘違いされそうだ。


それに加えてあの廃墟という場所だ。


間違いなく咲たちはあたしに暴行を加えたことだろう。


そうならなかったことに安堵した。


「今度はナナの番だから」


不意に後ろからそう言われて振り向くと、そこには咲と真里菜が立っていた。


2人とも自分の願いが叶ったことでかなり機嫌がいい。


だからこそ、絶対様を作ることに成功してからあたしはイジメに遭っていなかった。


「あ、あたしの番?」


あたしは視線を泳がせて聞き返した。


「そうだよ。だってあたしら4人で絶対様を作ったんだからね」


そんな……。


あたしがあの場所に呼ばれたのは、美緒が絶対様になれなかったときのためだ。


美緒を暴行したのだって、咲たちに命令されて仕方なくだ。


一緒にされたくはなかった。


「お前も願いを言うんだよ。それが叶うんだから悪い話じゃないだろ」


咲はすべてにおいてあたしを共犯者にしたいようだ。


あたしはゴクリと唾を飲み込んで3人を見つめた。