急にちょっとずつしか食べなくなったミレイナを見て、ジェラールが怪訝な顔をする。

「いえ。大口を開けてはいけないと習ったので」
「ああ」

 ジェラールは納得したようにソファーの背もたれに背を預けると、片手を振る。

「気にするな。俺がミレイナが美味しそうに食べているところを見たいんだ」

 青色の瞳が優しく細まる。
 その眼差しに、胸がトクンと跳ねるのを感じた。

「はい……」

 ペットのように思われているのは知っている。
 そうはわかっていても、こうやって優しい眼差しを向けられると、胸のときめきを抑えるのは難しかった。