ケータイ小説 野いちご

たくさんの好きをキミに

「はい、言った──…」


彼の方を向いた時、ふわりと爽やかな香水の匂いが鼻をくすぐった。

チュッとわざとらしくリップ音を立てるように唇を重ねられる。


ぽかんとしていると桜也くんが勝ち誇ったような顔をしていた。


「え?何故キスを?」


"好き"と10回言っただけなのに…


「小春さん、"きす"って10回言ってましたよ」

「私好きって言ったよ」

「じゃあもう一回好きって10回言ってみて」

「好き好き好き好き好き好き好──…んむっ」

今度は10回言っている途中で口を塞がれる。

そして少し顔を離し、ペロッと私の唇を舐めた。


「だから何でキスしたの!?しかも10回言ってないし!」

「"好き"って連続で何回も口にしたら"きす"って聞こえません?」

「……そう、だね?」


よく考えれば何度も"好き"って言ったら"きす"に聞こえなくはない…かも…?

…いや、だから何?


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