辺りを見渡すと、紫恩は机に突っ伏した状態で眠っている。僕は、眠ってる紫恩に近づいた。

目を覚ましたのか、紫恩は顔を上げる。

「……紫恩……」

「おはよう……眠れた?」

眠そうな顔で、紫恩は僕を見た。僕は「……おはよう」と紫恩に微笑む。

「ごめん……布団で寝てしまって……」

僕が謝ると、紫恩は「僕の方こそ勝手に読んでごめん」と小説を書いてたノートを手に持った。

「……素敵な物語だね。面白かったよ。静弥、小説家の才能あるんじゃない?」

そう言って、紫恩は微笑んだ。