久々の同じように研究することが好きな人に出会えて、イリアの心も自然と弾む。

「あ、あとね、ヒューリ。その治療薬を作る過程で必要になると思うんだけど。その、ね?」

中々本音を言い出せずに言葉を濁すが、一つ深呼吸をして勇気を腹に溜め込むと、その勇気を言葉と共に吐き出した。

「ド、ドラゴンの研究もさせてほしいの!こんな経験二度とないと思うから!ちゃんと治療薬は作るって約束するから、その……お願い!」

両手を合わせて頭を下げる姿は貴族令嬢としてマイナス点しか貰えない仕草だったが、そんなのことはお構いなしにイリアはヒューリに頼み込んだ。

返答に困ってしまうのも承知の上だったがヒューリは、いとも簡単に返事を返した。

「全然大丈夫だ。ヴァイルもイリアのこと気に入ってくれているし、協力してくれるだろうさ」

「本当に?!ありがとう!!これからよろしくね、皆!」

喜び溢れた顔でイリアはもう一度頭を下げて、研究ができる喜びを噛み締めた。

こうしてイリアの研究に没頭する毎日が幕を開けたのだった。