やっぱり......。


爽介さんは家事をやったことが無いのだろう。

というか、この状況を見ても出来ないのだろうと想像がつく。

ハウスキーパーさんが来ていたのなら、綺麗だったのも納得だ。


それよりも、全く家事が出来なかったことが予想外だった。

なんでも出来るエリートだと思っていたけれど、欠点もあったなんて......。

そこを知れて嬉しくもあるけれど、まずはこの状況をどうにかしないといけない。



「......ハウスキーパーさんは呼ばなくて大丈夫です。一緒にやるので片付けちゃいましょう」



洗剤はこれですって伝えたところで、ちゃんと洗えるのか心配だ。

一人でやった方が早いのだけれど、やる気満々の爽介さんにそれを伝えるのは申し訳ない気持ちになる。

だからといって任せるのも不安なので、一緒にやることにした。



「葵が僕に教えてくれるの?」



不安そうな表情から一変、分かりやすいくらいに嬉しそうな表情に変わった。