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「あだっ!」




ゴチーンッと威勢のいい衝撃音。


おでこが割れるほどの痛みに襲われるとともに、視界にちかちかと星が散った。



うう、痛い。


生理的に滲んだ涙。ぱちぱちと瞬きを繰り返しながら、じんじん後を引いているおでこをさすっていると。




「あは、ひかちゃん、大丈夫っ?」

「……! みなみちゃん!」




慌てて振り向く。

『大丈夫?』と聞いてくれたわりには、心配する様子もさほどなく、みなみちゃんはお腹を抱えて笑っていた。



そりゃそうだ、ギャグみたいだったからね。
自ら壁につっこんでいったんだから……と、恨めしく、廊下の壁とにらめっこする。




「びっくりしたよ、ぼーっとしたまま壁に突進していくから」

「見てたんだったらちゃんと止めてください……」




涙目でみなみちゃんを見上げる。


むすっと唇をとがらせるとその表情がまた面白かったのか、みなみちゃんはにやにやと笑っている。




「でも、ほんとに大丈夫?」

「ああえっと、たぶん大丈夫だよ!」




もう一度をおでこを撫でる。

たぶん赤くはなっているだろうけれど、頭蓋骨、割れてはなさそう。




「そうじゃなくて!」