「……ごめん、強がった。
『はい、末永くよろしくお願いします』って言うのがちょっと恥ずかしかった」

「ふふっ、琥珀らしいな」



琥珀らしい、と笑ってくれて助かった。

するとプロポーズを了承してくれたのが嬉しかったのか、絆は腕を広げてハグを求めてきた。

迷わずその胸に飛び込むと抱きしめられる。



「私を選んでくれたこと、後悔させないように頑張る」

「は?それは俺が言うセリフだ。
一緒でよかったって思えるような人生にしような」

「絆といればどう転がっても楽しいよ」

「ありがとう。琥珀のこと諦めなくて本当に良かった。絶対幸せにする」



『幸せにする』なんて恋愛ドラマでよく聞く安っぽい言葉。

だけど絆が口にしたそれは確かに力があって、心がじんわりと温かくなった。

私は幸せを噛み締め、涙でぼやける視界の中笑った。














END