次の日の事。


いつものように登校すると、下駄箱近くでケンカしてるような声が聞こえた。


どうしたんだろう?とやじ馬に混ざってのぞきに行く。


「あんた、前から気にいらなかったんだよね」


「そうそう、暗いし。 浮いてるの、気付いたら?」


女の子三人が、ひとりの女の子に因縁つけてる感じ。
ケンカ、とはまた違うかな?


「あ、遥。 何があったの?」


やじ馬にまじっていた遥を見つけて、かけよっていく。


「ん~、なんかね。 王子親衛隊三人がうちのクラスの子イジめてるっぽいんだよねえ」


「王子親衛隊? なにそれ?」


「生徒会長の足利さん、うちの学年の香川くん、一年の沢尻くんのファンの事だよっ」


…なんだそりゃ、なんであの三人のファンになるのか意味わかんない。


「好きすぎて、見ててイタイくらいなんだよー。 で、生徒会長ファンの三年生の鈴木さんの持ってた生徒会長隠し撮り写真をうちのクラスの好田さんが踏んだらしくって。 わざとじゃないみたいなんだけど…」


ば、馬鹿らしい。
好田さん、災難だな。


「聞いてるの? 早く謝りなさいよ!」


なんだろう、なんか…凄く嫌な気分。
私が言われたわけじゃないのに。


やじ馬はいるのに、止めに入る人は誰もいない。


…仕方ないよね。
自分は巻き込まれたくないもん。


…私だって、そのひとり。