〖SIDE 光莉〗
「んーっ、いい天気!」
清々しい青空を仰ぐ。
雲ひとつない、きれいな秋晴れ。太陽だけがぽっかりと浮かんでいる。
「油断したら真っ黒に焼けそう……」
「たしかに」
日差しに目を細めたこもりんに頷く。
秋に入っているとはいえ、強い日差しも、高い気温も、ほとんど夏と変わりない。
まだ朝一番というのに、じわりと汗が滲んでいるほどだ。
この調子だと、日焼け対策と熱中症対策は欠かせないな。
「こもりんはどの競技に出るんだっけ」
「ソフトボール!」
「うわあ、強そう」
「あは、期待しといてよ」
「うんっ、ばっちり応援するよ!」
「それは心強いですなあ」
そう、今日は球技大会。
私たちの学校では、春に体育大会、秋に球技大会があって、その2つがスポーツの主な行事だ。
文化祭も加えて三大イベントに数えられるほどの大きな行事なの。
各競技の成績によってポイントが入り、総合優勝を果たしたクラスには景品も準備されているため、気合いも十分、各クラスが一丸となって優勝を目指している。