乱れていた制服を整えてくれ、さらに髪にも触れてきた。


 春哉くんはなんとも思っていないだろうけれど、私は好きな人に触れられて胸がドキドキしてたまらなくなる。

 触れられた部分が熱く、春哉くんにバレないようにと平静を装うのに必死だった。


「まだ時間に余裕があるから、ゆっくり準備してよかったのに」

「待たせるのはよくないから……」
「家を走り回るほど急ぐ必要はないよ」

「うっ……やっぱりバレて」


 ニコニコと笑う春哉くんを前に、俯くことしかできない。

 最後には子供のように頭を撫でられてしまい、春哉くんにとって私はまだまだ子供なのだと思わずにはいられなかった。