辺りが暗くなった。
く、来るっ!?
【み】から始まる名前の死り神が、私を殺しに来る!
そしてそれは『南田祐希』かもしれない。
私のクラスには、あと何人か【み】から始まる名前のクラスメイトがいる。
そのうちの誰かなのだろうか?
いずれにしろ、戦わないといけない。
鎌で襲いかかってくる死り神と、たった1人で戦わないと__。
これまでは、祐希が守ってくれた。
私は1度も死り神を殺すことなく、ここまで来たんだ。
ずっと祐希が守ってくれたから…。
もしかしたら、今度はその祐希が私を殺すかもしれないんだ。
もう頭の中がパニックだった。
武器もなにもない。
そもそも、私は殺すことができるのだろうか?
殺せばゲームはクリアすることができる。
しかし殺さなければ__殺される。
不意に、気配を感じた。
暗闇の中を蠢(うごめ)く気配を、肌で感じたんだ。
死り神がいる!
すぐ近くで、私を殺そうと手ぐすね引いて待っている。
明かりがつけば、私に鎌を振り下ろすんだ。
死り神が祐希なら、私は戦うわけにはいかない。
大切なひとを殺すなんてこと、私にはできない。
どうか、祐希じゃありませんように__。
唐突に明かりが戻った。
そこに死り神がいた。