そして、この服もサイズピッタリだった。



「お待たせしました」



リビングに行き、着替えた姿で、私は爽介さんの前に立つ。


爽介さんは、昨日の仕事用の格好ではなく、ラフな私服を着ていた。

ラフなのに、格好の良さが溢れているのは、元がいいからだろう。

違う人が同じ服を着ても、格好よくはならないと思う。



「その服って......」


「クローゼットにあったのを着てみました。ダメでしたか?」



好きにしていいと言われたはずだし、外に出るのに私の持ってきた服では、この街では浮いてしまうに決まっている。



「ダメじゃない!僕が選んだ服を着てくれるとは思わなかったから」



僕が選んだ服?


あの部屋の洋服って、サイズを伝えて誰かが用意したんじゃなかったの?てっきり、そう思っていたんだけど......。



「似合いすぎていて困るっ!!」



この反応からして、本当に爽介さんが選んだ服らしい。