『それでは、死りとりゲームを始めましょう!』


それからも私たちは、クリアを重ねていった。


祐希はいつも、私が探しやすいように簡単な文字で終わる。


だから私も、迷うことなく見つけることができたんだ。


『初めは【げ】から始まるものでお願いします!』


「げ?」


すぐに祐希が教室を飛び出していく。


正面玄関に向かい、またその場で腕組みをして動かなくなった。


制限時間はまだたっぷりある。


可能性のあるものをいくつも思い浮かべることができるくらいの時間だ。


やがて時間ぎりぎりになり「下駄箱」と祐希が言った。


『クリアです!』


次は【こ】から始まるもの。


前に一度、同じ【こ】から始まった時があった。


その時、愛海は確か__。


私は職員室横の冷蔵庫を開ける。


その中から「氷!」を取り出す。


『クリアです!』


心の中で愛海にお礼を言い、祐希と喜びを分かち合う。


あと1回。


あと1回で退会できる。


このゲームともおさらばできるんだ__。


現実の世界に戻ると、祐希からメッセージが届いていた。


『会いたい』


と。