『【り】のつくものからでお願いします!よーい、スタート!』


「うそでしょ…」


すぐに私は呟いた。


だって【り】は嫌というほど、しりとりに出てきた。


いつも愛海が【り】責めをしてきたけど、ゲームの1番始めだって『しりとり』の【り】からスタートしたはず。


それなのに同じ文字がくるなんて…。


「すっかり油断してたな」


「で、でも前の時、愛海に言ってなかった!?他にも【り】のつくものは見つけてあるって!」


確かに祐希はそう言ってきた。


体に刻まれた龍のタトゥーの他にも、いくつか見つけてあると__。


「あれは…はったりだ」


「ウソだったの!?」


「あいつを油断させるために、とっさにな」


「でも、まだ時間はある!探そう!」


「あぁ、そうだな」


祐希が教室を見回して考え込む。


私も「りあ、りい、りう、りえ…」と【り】から始まるものを探すが__。


「だめだ、見つからない」


「諦めないで!まだ時間はある!」


制限時間は残り半分。


でも祐希は、探すのをやめて屈伸している。


下手に体力を使うよりは、戦うことに備えているんだ。


見つからなければ、死り神を殺すしかない。


それはわかっているけど…。