『それでは死りとりゲームを始めましょう!』


いつものアナウンスを、今日はしっかりと聞くことができた。


教室の異空間に集められた私と祐希、そして愛海。


「熱は下がったか?」


「うん、もう大丈夫」


笑顔で祐希に答える。


あれからすぐ熱は下がった。


なんとしてでも治して、万全の態勢でゲームに臨まないと。


祐希に死り神を殺させるわけにはいかない。


しかも死り神は、同クラの生徒の名前をしりとりの順で選ばれている。


戸田牧子が死んだのだから、次は【こ】から始まる苗字のクラスメイトが選ばれるはずだ。


【こ】から始まるクラスメイトって…?


私が思考は、アナウンスによって遮られた。


「それでは【こ】から始まるものでスタートします!」


偶然にも、しりとりの初めの文字は【こ】だ。


「ねぇ、愛海!」


「そんな怖い顔しないでも分かってるって!もうちゃんとやるから!」


「…ホントに?」


「愛海だって、もうこんなゲーム嫌だし!これクリアすれば退会できるんだから、ちゃんとやる」


「それならいいけど…」


「それにもう【こ】のつくもの見つけたし!」


自信満々に愛海はそう宣言した。